こんにちは。サービスかんきちです。
AIの「歴史」と「仕組み」を学んだ第1部を終え、いよいよ今日から「実践編(第2部)」のスタートです。
今回のテーマは、AIを自分の手足のように操るための技術、「プロンプトエンジニアリング」。
「エンジニアリング」なんて言われると難しそうですが、要するに「AIへの上手な指示の出し方」のこと。これがなぜ重要かというと、今のAIは「確率」で動く計算機だからです。
指示が曖昧だとAIは「たぶんこうかな?」と適当に予測してしまいますが、的確な指示(プロンプト)を与えれば、驚くほど正確に動いてくれます。まさに「言葉の魔術」です。
- たった一言「例」を見せるだけで、日報の要約精度が激変する理由。
- AIに「GTO(グレート・ティーチャー)」になりきらせたら、熱い指導が返ってきた話。
- 「勤続10年」と「30年」で回答はどう変わる?AIの言葉の捉え方。
- 「ステップ・バイ・ステップ」と唱えるだけで、AIの論理力が上がる仕組み。
- プロンプト入力を時短するおすすめのツール。
「例」を見せるだけで賢くなる?(フューショット)
まず教わったのは、AIは「意味」を理解しているのではなく、「パターンのつじつま」を合わせようとしている、という性質です。
だから、いきなり「要約して」と丸投げする(ゼロショット)よりも、「一つだけ例を見せる(フューショット)」方が、圧倒的に賢くなるそうです。
以下の文章を要約して。
本番:
(ここにスタッフの日報を入れる…)
これだと、「どのくらい短くするのか」「何を残すのか」が伝わらず、AIは適当に短くするだけになってしまいます。
以下の文章を要約してください。
例:
入力:『今日はAさんが昼食時にご飯を投げた。その後落ち着いて昼寝した。』
出力:『12:30 昼食時に他害行動あり(投擲)。その後入眠し、特変なし。』
本番:
(ここにスタッフの日報を入れる…)
かんきちなんでたった一つの「例」だけで、こんなに賢くなるんですか!?



AIは「あ、『ダラダラした文章』が来たら『キリッとした記録』に変換する流れ(パターン)なんだな」と空気を読むからです。
これを専門的には「パターン認識」と呼びます。人間でいうと「つじつまを合わせる」感覚に近いですね。
なるほど。「意味を理解させよう」とするのではなく、「空気を読ませる(つじつまを合わせさせる)」ために例を見せる。これなら明日から日報チェックに使えそうです。
AIに役割を持たせる
次に、AIに「役割(ロール)」を与えるテクニックの話になりました。
「あなたはベテランサビ管です」と役を与えることで、回答の質が劇的に上がると言います。
AIはインターネット上のありとあらゆる情報(料理、スポーツ、プログラミングなど)を学習しています。
ただ質問するだけだと、AIは脳内の「全ての本棚」から答えを探そうとして、ぼやけた回答になります。
そこで「あなたはサビ管です」と役割を与えることで、「福祉の本棚だけを見ろ」と検索範囲を絞り込むことができ、専門的で的確な回答が得られるようになります。
ここで私の中に素朴な疑問が浮かびました。



「ベテラン」と言っても、「勤続10年」と「30年」ではAIの回答は変わるのでしょうか?
あと、「9年」と「10年」の差はどうですか?



非常に面白い質問です!結論から言うと、こうなります。
①「9年と10年」:変わりません(誤差の範囲)。
②「10年と30年」:雰囲気(トーン)が変わります。
- 10年:「脂の乗った中堅」として、実用的でテキパキした回答になりやすい。
- 30年:「仙人・大御所」として、哲学的で重みのある回答になりやすい。
AIは年数を計算しているのではなく、その言葉が持つ「世間的なイメージ(ステレオタイプ)」を演じているだけなのだとか。
だから、年数を細かく指定するよりも、「どんな性格か(厳格な、親身な、熱血な)」という属性を盛る方が、効果は絶大だそうです。
なんか映画監督になったような感じでおもしろいですね!
以下、サビ管業務で使いやすい「おすすめロール」を教えてもらったのでシェアします。
▼ サビ管向けおすすめロール集
- コンプライアンスの鬼:「あなたは法令遵守を最優先する厳格な管理者です。リスク管理の観点から回答してください。」
- 傾聴のプロ:「あなたはカウンセリングマインド溢れるベテランサビ管です。スタッフの心に寄り添ってアドバイスしてください。」
- 論理的コンサル:「あなたはMBAを持つ福祉コンサルタントです。論理的かつ具体的に業務改善案を出してください。」
- 新人教育係:「あなたは新人に教えるのが上手な先輩です。専門用語を使わず、小学生でもわかるように説明してください。」
実験:「GTO」になりきらせて指導させてみた
では、試しに実践を。
「どんなキャラでもいいですよ」と言われたので、その「属性の効果」を試すべく、ちょっと悪ノリしてこんな設定で相談してみました。
#役割設定
あなたは【GTOの鬼塚英吉】のような、ベテランサービス管理責任者になりきってください。
#相談内容
「最近、若いスタッフが『記録を書くのが面倒だ』と言ってサボりがちで困っています。どう指導すればいいでしょうか?」
すると、AIから返ってきた回答がこちら。
GTO風サビ管のアドバイス:
あぁ?「記録がめんどくせぇ」だと? 上等じゃねぇかその若造!
でもな、あんた、そいつにガツンと言ってやれよ。
「テメェ、利用者(ダチ)のこと、マジで守る気あんのか?」ってな。
いいか? 記録ってのは役所に出す作文じゃねぇ。
あいつらが今日一日生きてたっていう「証(あかし)」だろうが!
明日あいつらに何かあった時、その紙切れ一枚が最強の盾になるんだよ。
ハートでぶつかれよ、ハートで! ヨロシク!
熱い!(笑) 法令遵守という言葉はゼロですが、「記録は利用者を守る盾」という本質は突いています。
逆に、「コンプライアンスの鬼」になりきらせて同じ質問をすると…
コンプラ重視サビ管のアドバイス:
単刀直入に申し上げます。その状況は極めて危険です。
行政の実地指導において、「記録がない=サービス提供の実態がない(架空請求)」とみなされます。
万が一の際、自分を守る証拠がないことの責任を取れるのか、リスク管理の観点から厳格に指導してください。
この温度差!
「誰に、何を伝えたいか」に合わせてAIの人格を使い分ければ、自分の言いたいことを代弁してくれる最強の武器になると実感しました。
思考の連鎖:「ステップ・バイ・ステップ」の魔法
最後に、私が以前から気にしていた「利用者の行動の動機を分析する」ためのテクニックを教わりました。
AIはいきなり答えを出そうとして、論理が飛躍しがちです。
そこで使うのが、「ステップ・バイ・ステップで考えてください」という魔法の言葉です。



これはAIに「計算用紙」を使わせるのと同じ効果があります。
暗算でいきなり「答え」を書かせず、「まず〇〇です。次に△△です」と思考の過程を書かせることで、論理破綻が激減するのです。
福祉現場なら、いきなり「この行動の原因は?」と聞くのではなく、以下のように段階を踏ませるのがコツだそうです。
結論を急がず、以下の手順でステップ・バイ・ステップで推論してください。
1. 直前の環境要因(音、光、人の動き)
2. 本人の身体的要因(睡眠、空腹、服薬)
3. 行動の機能(要求、回避、注目、自己刺激)
4. 推定される動機
こう指示するだけで、AIは専門家のような深い分析パートナーになってくれます。
次なる武器は「自分専用の辞書」
ここまでの学習の中で、AIを活用するにあたってのプロンプトの重要性が痛いほど理解できました。
ただ、このプロンプト技術を毎回手打ちするのは大変です。
そこで導入を決めたのが、「Clibor(クリボー)」という定型文貼り付けツールです。
作ったプロンプトを登録しておけば、キー操作一発で呼び出せるようになります。
実際の使い方はこんな感じです。
Cliborは「今作業中の画面を閉じることなく」、キー操作一発で定型文を呼び出せるので、チャットAIとの相性が抜群です。






いかがでしたか?
これで、「指示出し(プロンプト)」と「辞書(Clibor)」という武器が揃いました。
次回は、これらを使って「自分専用のAIシステム(Dify)」の構築手順(ナレッジ編)に進みます。
言葉一つでAIが別人になる面白さ、ぜひ皆さんも試してみてください!
(GTO風プロンプト、おすすめです笑)







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